この記事ではアモキシシリン(Amoxicillin)の効果が出るまでの時間や他の薬との飲み合わせに関する情報を紹介していきます。
アモキシシリンは細菌による感染症治療に用いられる抗生物質の一種です。呼吸器感染症や尿路感染症など様々な疾患の治療薬として利用されています。
比較的副作用が少ない薬ですが、稀に重大な副作用が現れる恐れがあるため、必ず医師の診察を受けてから薬を処方してもらいましょう。(特にアレルギーを持っている人)
また、アモキシシリンに関しては飲み合わせについての疑問を持つ人も多いため、本文では併用禁忌の薬もまとめています。
アモキシシリンは効果が出るまで何日間くらい?
アモキシシリン(Amoxicillin)は有効成分としてアモキシシリン水和物を含む合成ペニシリン系に分類されている抗生物質です。
日本では古くから厚生労働省による認可を受けている薬であり、先発品であるサワシリン®︎のほか様々なジェネリック品が販売されています。
国内では、動物用医薬品として、牛、豚及び鶏を対象にアモキシシリン水和物の飼料添加剤、飲水添加剤又は注射剤が承認されている。また、ヒト用医薬品として、アモキシシリン水和物の単剤又はクラブラン酸カリウムとの配合剤が経口投与剤として承認されている。
引用:厚生労働省|アモキシシリン
そんなアモキシシリンの効果が出るまでの時間は、だいたい服用後1~3日ほどです。効果を実感するまでに掛かる時間が短く、比較的即効性のある薬として扱われています。
ただし、病気の種類や症状の重さによっては効果の実感までに時間が掛かるケースもあります。
また、途中で症状が軽くなっても、処方された日数分の薬をきちんと飲み切ることが大切です。自己判断で勝手に服用を中断すると、体内に細菌が残り、同じ感染症の再発要因になってしまいます。
アモキシシリンとは?どんな時に飲む?

ここからはアモキシシリンの効果や副作用について詳しく紹介していきます。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
アモキシシリンの主な効果
アモキシシリンはペニシリン系に分類されている抗生物質の一種で、細菌の細胞壁を壊して殺菌する働きがあります。
こうした効果を用いて以下のような感染症の治療に処方されています。
- 呼吸器感染症(中耳炎、副鼻腔炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎など)
- 尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎など)
- 皮膚・軟部組織感染症(蜂窩織炎、膿瘍など)
- 消化管の感染症(ヘリコバクター・ピロリの除菌治療の一部)
- 歯科領域(歯周病、歯の感染、抜歯後の感染予防)
ご覧のようにアモキシシリンは様々な感染症に対して効果を発揮する薬です。
ただし、アモキシシリンは細菌による感染症に効果がありますが、風邪やインフルエンザなどのウイルス性の疾患には効きません。
アモキシシリンの副作用
アモキシシリンは比較的副作用が少ない薬ではありますが、体質によっては以下のような副作用が出るケースもあります。
- 下痢や軟便
- 食欲不振
- 吐き気
- AST上昇
- ALT上昇 など
なお、アモキシシリンはペニシリン系に分類されている抗生物質にアレルギーがある人は服用できませんので、過去に同様のアレルギー症状が出た人は医師にその旨を伝えておきましょう。
アレルギーがある人だと重度のアナフィラキシー反応(息苦しさ、全身の蕁麻疹、血圧の低下など)が出る恐れもあります。
また、ごく稀にそのほか重大な副作用が現れる可能性もあるため、異変を感じたらすぐに服用を中止して医師に相談してください。
服用する際の注意点
アモキシシリンを服用する際は以下の点に注意しましょう。
- アモキシシリンは食後に服用すること(胃への負担が少なく、副作用が出にくい)
- 処方された分のアモキシシリンは必ずすべて飲み切ること(自己判断で勝手に服用を中止しない)
- 下痢が続く場合は一旦服用を中止して医師に相談すること
腹痛や下痢(血便を含む)が続いている場合は偽膜性大腸炎、出血性大腸炎などの恐れがあるので、すぐに医師へと伝えて適切な処置をとってもらう必要があります。
アモキシシリンと併用禁忌の薬|飲み合わせに関する疑問
ここからはアモキシシリンと併用禁忌の薬や飲み合わせに関する疑問を解消していきます。
「市販薬との併用は大丈夫なのか?」といった疑問がある人は、こちらを参考にしてみてください。
アモキシシリンと併用禁忌の薬
アモキシシリンに併用が禁忌とされている薬はありません。
ただし、併用に注意が必要な薬はありますので、以下を確認しておいてください。
- ワルファリン:腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制する可能性(血が止まりにくくなる)
- プロベネシド:アモキシシリンの濃度が高まり、副作用が出やすくなる可能性
- 経口避妊薬:避妊薬の効果が弱くなる可能性
- メトトレキサート:メトトレキサートの尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させる可能性
特にピル(経口避妊薬)を常用している女性は注意が必要となります。
頭痛薬やロキソニンとの飲み合わせ
市販されている頭痛薬やロキソニンと同時にアモキシシリンを服用することに関しては特に問題がないとされています。(お互いの効果に影響を与えないため)
ただし、市販されているロキソニンはアモキシシリンと同じく胃に負担を掛ける可能性があります。
補足:アモキシシリンは何時間あける?
アモキシシリンを服用する適切な間隔は8時間ごととされています。(通常1日3回の服用を想定)
ただし、8時間ごとだと1日3回のペースに間に合わないため、現実的には朝・昼・夜の食後に飲むことが大半です。
アモキシシリンの効果や飲み合わせに関してよくある質問
最後に、アモキシシリンの効果や飲み合わせに関してよくある質問に答えていきます。
自分が気になる点を確認しておきましょう。
アモキシシリンは市販薬として買える?
日本国内ではアモキシシリンは市販されていません。抗生物質は自己判断での乱用を防ぐために医師の処方箋が必要となっています。
風邪でもアモキシシリンは使える?
風邪の原因がウイルスなら効果はありません。ただし、細菌感染を併発しているときには処方されることがあります。
下痢が続いていても飲み続けて良い?
軽い下痢はよくある副作用ですが、激しい腹痛や血便が出た場合はすぐに医療機関を受診してください。
飲酒(アルコール)は控えるべき?
少量の飲酒であればアモキシシリン自体との飲み合わせに問題はありませんが、体調が悪いときはアルコールを控えるのが無難です。また、肝臓への負担を考えると、アモキシシリンの服用期間中は飲酒しない方が良いと言えるでしょう。
アモキシシリンは抗生物質?
アモキシシリンはペニシリン系に分類されている抗生物質です。細菌同士の細胞壁合成を阻害することで、体内で殺菌かつ抗菌作用を発揮します。
アモキシシリンの効果は1~3日ほどで現れる|処方された量を飲み切ることが重要
アモキシシリンの効果が出るまでの時間や他の薬との飲み合わせについて詳しく解説してきました。
<結論>
◆アモキシシリンの効果は1~3日ほどで現れる
◆処方された分のアモキシシリンは必ず飲み切ること
◆下痢が続く場合は医師に相談すること
アモキシシリンは色々な感染症を治すために使われている抗生物質の一種です。比較的すぐに効果が出ますが、症状の度合いによっても多少変化します。
また、体内に細菌を残さないために処方された分の薬をすべて飲み切ることが重要です。アモキシシリンを服用していて副作用を感じた場合はすぐに医師へと報告しましょう。


