発毛作用があるミノキシジルを使用しても「産毛」までしか生えてこなくて悩んでいる人は少なくありません。
この記事ではミノキシジルを使っても産毛止まりになる原因と改善するための対策を詳しくまとめました。
ミノキシジル(外用薬)は日本国内でも承認されているAGA治療薬のひとつです。頭皮の血管拡張作用や毛母細胞の活性化といった効果が期待できます。
ミノキシジルの発毛・育毛効果は実感したい人は、医薬品の使用だけでなく生活習慣の見直しや他のAGA治療薬の併用を検討してみましょう。
ミノキシジルによるAGA治療と効果

ミノキシジルの主な効果は以下の通りです。
- 壮年性脱毛症における発毛や育毛
- 脱毛の進行予防
ミノキシジルには頭皮の血管を拡張し、頭全体の血流を改善する効果があります。
頭皮の血行不良は抜け毛の原因のひとつです。毛髪を伸ばすのに必要不可欠な毛根や毛母細胞へ十分な栄養を供給するためにミノキシジルは利用されています。
なお、市販されている外用発毛薬にはだいたい2~5%のミノキシジルが配合されていますが、濃度が高い発毛薬ほど効果的です。ただし、ミノキシジルによる副作用リスクも高まるため、自分の頭皮に合ったものを選ぶようにしましょう。
ミノキシジル(外用薬)の副作用としては主に痒み・赤み・発疹などが挙げられます。
ミノキシジルで産毛止まりとなる原因|生え際に産毛しか生えない人

せっかくミノキシジルを使用しているのに、生えてきた毛髪が産毛止まりで成長しないケースもあります。
産毛から太い毛に成長しない原因を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
食生活や睡眠時間などの生活習慣
毛髪の主成分は「ケラチン(タンパク質の一種)」です。このケラチンを作るには亜鉛・タンパク質・鉄分・ビタミンB群などが必要となります。
普段の食生活で上記のような栄養素が不足していると、ミノキシジルを使っていても正常な毛髪の成長に繋がりません。
化学的な構成成分は、ケラチンと呼ばれる繊維状タンパク質を中心とするタンパク質が主成分であり、残りは脂質、メラニン色素などです。
引用:花王HP|髪の構造
なお、髪の太さを決めるのは毛髪の約90%を占めるコルテックスと呼ばれる部分です。コルテックスは繊維状の束になっていて、この太さはケラチンや脂質・水分量などによって変化します。
また、摂取する栄養素だけでなく睡眠不足や日頃のストレスも毛母細胞の分裂を抑制する原因になるので、発毛・育毛を期待する人は生活習慣の見直しが必須と言えます。
DHT(ジヒドロテストステロン)の増加
AGA(男性型脱毛症)で重要なポイントとなるのがDHT(ジヒドロテストステロン)の存在です。
DHTは男性ホルモンの一種で、発毛に欠かせない毛包を小さくさせる作用があります。(⇒毛包のミニチュア化)
毛包のミニチュア化が進行すると毛母細胞が弱まり、産毛のような細い毛しか作れなくなってしまいます。
ミノキシジルの血管拡張作用によって毛母細胞への栄養・酸素供給を促進しても、DHTの働きが活発だと求める毛髪の成長が見込めません。
なお、DHTを増やす主な要因には遺伝的要素、強いストレスによるホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。
ミノキシジルの使用量・使用回数
ミノキシジルの使用量が不足していると正しい発毛効果が得られません。基本的にミノキシジルは「1日2回」を毎日継続することで効果を発揮します。
また、頭皮への塗布量が少ない、使用期間が短い、勝手に使用を中断するといった部分も産毛止まりになる原因として挙げられます。
補足:産毛の発毛・毛髪が太くなるまでのヘアサイクル
ミノキシジルによって生えた産毛を太くするには、基本的なヘアサイクルを理解しておくことが重要です。
髪の毛は常に同じ毛が生えているわけではなく、生える⇒成長する⇒抜ける⇒また生えるといったサイクルを繰り返しています。

- 成長期:ミノキシジルが毛母細胞を活性化させ、新しい毛髪を生み成長を促す
- 退行期:毛髪の成長が止まるのを遅らせて、毛量を維持する
- 休止期:毛髪の成長が止まり抜け落ちる時期(※1日に100本程度の抜け毛は自然なこと)
ミノキシジルの産毛止まり対策|生えてきた産毛を太くする方法

ここからはミノキシジルの効果によって生えてきた産毛を太くする方法、産毛止まりの対策を紹介していきます。
複合的に対処することでミノキシジルの効果を最大限に生かせるようになります。
生活習慣の見直し
発毛・育毛に欠かせない対策のひとつが生活習慣の見直しです。
- 毛髪の成長を促す亜鉛・タンパク質・ビタミンB群などをバランスよく摂る
- 食事で摂取できない場合はサプリメントで補う
- 十分な睡眠時間を確保する
- ストレスを溜め込まない
- 発毛効果について気長に構える(3ヶ月~半年ほど)
毛髪の成長には亜鉛・タンパク質・ビタミンB群などが必要なので、日頃から意識して摂取しましょう。サプリメントで補うのも効果的です。
また、睡眠時間が短いとストレス増加にも繋がるため、十分な睡眠時間を取れるライフサイクルを目指してみてください。
フィナステリドなどのDHT阻害薬を併用
フィナステリドは、ミノキシジルと並んでAGA治療に用いられる医薬品です。同薬には脱毛や毛包のミニチュア化を促進するDHT(ジヒドロテストステロン)を抑える作用があります。
日本国内ではフィナステリドを有効成分とする「プロペシア」が正式な医薬品として承認されています。
プロペシアは我が国でも承認されており、医師の処方せんが必要な医薬品になっております。
引用:厚生労働省HP
AGA治療クリニックで主に処方されている薬のひとつなので、ミノキシジルと合わせてフィナステリドの使用も検討してみてください。
ミノキシジルの継続的な使用
ミノキシジルを継続的に使用することで産毛止まりが解消されるケースもあります。
中には「1~2ヵ月ほど試してみたものの、細い産毛しか生えてこないので途中でやめてしまった」という人も少なくありません。
しかし、ミノキシジルを使用する推奨期間は半年~1年ほどです。
「1日2回」「1回あたり約1ml」「頭皮に届くように塗布」というのがミノキシジルの基本的な使い方となります。
上記の使い方を半年~1年ほど続けてみて、それでも効果が見込めない場合は他の治療方法を医師に相談しましょう。
なお、ミノキシジルによって頭皮の血行が改善されると毛包の大きさも回復してきます。
毛の太さは成長期に生育する毛包の大きさ、毛の長さは主に成長期の期間の長さに比例して決まる。
引用:日薬理誌|ミノキシジルの発毛作用について
毛包の大きさが復活するまでには多少の時間が必要となりますので、ストレスを抱えず気長にミノキシジルの使用を続けてみましょう。
頭皮の環境や血行の改善
発毛や育毛を促すためには頭皮の環境を清潔に整えることも大事です。また、ミノキシジルに頼るだけでなく、生活の中で血行改善に努めるよう心掛けてみましょう。
- 皮脂やフケなどが毛穴を塞がないよう毎日ケアする
- 紫外線ダメージによる頭皮の乾燥・炎症などを避ける
- 頭皮の保湿・紫外線ケアをおこなう
ミノキシジルの産毛止まりに関してよくある質問
最後に、ミノキシジルの産毛止まりに関してよくある質問に答えていきます。
自分が気になっている点をチェックしてみてください。
産毛が太くなるまでの期間は?
産毛が生えてから太毛化するまで通常3~6ヶ月かかります。焦らずミノキシジルの使用を継続することが重要です。
生え始めのおでこ(生え際)の産毛は?
生え際はもともと発毛が難しい部位ですが、根気強いケアにより太く育った例も少なくありません。
ミノキシジル使用だけでターミナルヘアに転換する?
可能性はありますが、DHT抑制薬や生活習慣改善など総合的なアプローチが推奨されます。
ミノキシジルの産毛止まりを解決するには生活習慣の見直しや薬の継続使用が重要
ミノキシジルを使用していて産毛までしか生えない原因や対処法を詳しく紹介してきました。
<結論>
◆産毛止まりの原因は生活習慣の乱れやDHT(ジヒドロテストステロン)
◆産毛止まりの解決策としては食生活の見直し・睡眠時間の確保・頭皮のケアが重要
◆DHT阻害薬(例:フィナステリドなど)の併用も検討
ミノキシジルを使用していても細い産毛しか生えてこない場合は、複合的にアプローチすることが大事になってきます。まずは生活習慣を見直し、場合によってはフィナステリドの併用なども考えてみてください。

