ラベプラゾールは過剰な胃酸の分泌を抑え、胃もたれや各胃の疾患などの症状を軽減させる医薬品です。
ラベプラゾールの効果を十分に発揮するためには服用するタイミングや飲み方が重要となってきます。
この記事では、ラベプラゾールの効果・副作用・飲むタイミングなどを詳しくまとめました。
ラベプラゾールの服用を検討している人はこちらの内容を参考にしてみてください。
ラベプラゾールとは|空腹時に飲むことを推奨
まずはラベプラゾールがどんな薬なのかを解説していきます。
ラベプラゾールの効果や副作用などを理解した上で服用を始めましょう。
ラベプラゾールの効果
ラベプラゾールはプロトンポンプ阻害薬(PPI)のひとつです。
胃粘膜にある「プロトンポンプ」という酵素の働きを抑えることで、胃酸の分泌も抑制してくれます。
こうした効果があるラベプラゾールは主に以下のような症状を軽減するために用いられます。
- 逆流性食道炎(胃酸の逆流による胸やけ)
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍
- ピロリ菌除菌のサポート
- Zollinger-Ellison症候群(胃酸が異常に出る病気)
なお、ラベプラゾールはもともと病院で処方される医薬品でしたが、2025年3月からは「パリエットS」が市販薬として承認されました。

現在のところパリエットS(ラベプラゾール)は要指導医薬品扱いとなっています。
ラベプラゾールの副作用
ラベプラゾールの主な副作用としては以下のようなものが挙げられます。
- 頭痛・吐き気・便秘または下痢
- 腹部膨満感
服用を始めてから上記のような症状が顕著にみられる場合は飲むのをやめて、医師に相談しましょう。
また、ごくまれに以下のような症状が出るケースもあります。
- 肝機能障害(倦怠感・黄疸)
- アナフィラキシーショック
- 間質性肺炎
- 汎血球減少
- 無顆粒球症
- 血小板減少
- 溶血性貧血 など
こうした重大な副作用が出る可能性は限りなく低いものの、ラベプラゾールを服用する際は決められた用法用量をしっかり守りましょう。
効果が出るまでの時間と胃もたれに効く仕組み
ラベプラゾールの効果が最大限に発揮されるのは服用してから2時間後です。
胃もたれは食べ過ぎや消化不良によって起こりますが、これは胃の働きや胃酸の分泌がうまく機能していないことが原因と考えられます。
ラベプラゾールは胃酸の分泌をコントロールすることで胃もたれや逆流性食道炎の症状を軽減する薬です。
ラベプラゾールは飲み方|いつ飲む?食後はダメ?寝る前はNG?
ここではラベプラゾールの飲み方や飲むタイミングについて解説していきます。
「寝る前に飲むのはダメなのか?」という疑問を解消したい人は、こちらをご覧ください。
ラベプラゾールの服用は食前が基本
ラベプラゾールの服用は食前が基本とされています。これには、食後に服用するとラベプラゾールの効果が発揮されるまでに時間が掛かるという理由が挙げられます。
健康成人男子に20mgを絶食下又は食後に経口投与した時、食後投与では絶食下投与に比しtmaxが1.7時間遅延するとともに吸収に個体差が認められている
引用:nc-medical.com|プロトンポンプ阻害剤 ラベプラゾールナトリウム錠
基本的にラベプラゾールを用いた薬はすべて食前に服用することが推奨されていますので、できるだけ空腹時に服用するようにしましょう。
例外的に寝る前に飲むケースもある
以下のような場合だと、例外的にラベプラゾールを寝る前に飲むケースもあります。
- 逆流性食道炎の人で夜間や早朝に胃酸の逆流によって起きてしまう場合
- 逆流性食道炎に関係なく夜間に胃酸の分泌が多くなる人
- 夜型の生活リズムで夜中に食事をとる人
- 他に服用している薬との兼ね合いにより医師から夜の服用を指示されている人
ご覧のようなケースにおいては寝る前にラベプラゾールを服用する場合があります。
ただし、自己判断によって勝手に服用のタイミングを変えるのはNGです。必ず医師と相談した上でラベプラゾールを飲むタイミングを決めましょう。
補足:朝・夜のどちらの食前に飲む?
ラベプラゾールは食前に飲む薬ですが、朝と夜のどちらの食前に飲めば良いのか?という疑問もあります。
ラベプラゾールは空腹時に飲むことで十分な効果を発揮するため、胃の中が空っぽになりやすい起床後(=朝食前)の服用が推奨されています。
ラベプラゾールを服用する際の注意点
ここからはラベプラゾールを服用する際の注意点をいくつか見ていきます。
現在、別の薬を処方されている人は「併用禁止の薬」をよく確認しておきましょう。
消化不良
ラベプラゾールは胃酸を抑える薬なので、過剰に胃酸の分泌が抑制されると消化不良を引き起こす可能性があります。
胃もたれが改善されない場合には一度服用を中止して、様子を見ましょう。
吐き気
ラベプラゾールの基本的な副作用のひとつに吐き気があります。胃酸を抑えることで腸内環境が変化し、ガスが溜まることによって吐き気を覚えるケースもあるようです。
また、薬が身体に合わないことも考えられるので、吐き気がひどい場合には医師に相談して別の薬を処方してもらいましょう。
併用禁止の薬
ラベプラゾールとの併用が禁止されている薬は「リルピビリン塩酸塩(エジュラント®)」です。
これはラベプラゾールの胃酸分泌抑制作用によってリルピビリンの吸収が低下し、血中濃度が低下する恐れがあるためです。
その他、ラベプラゾールとの併用に注意が必要な薬を以下にまとめたのでご覧ください。
- ジゴキシン、メチルジゴキシン(血中濃度上昇の可能性)
- イトラコナゾール、ゲフィチニブ(血中濃度低下の可能性)
- 水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム含有の制酸剤(血中濃度低下の可能性)
- メトトレキサート(同成分の血中濃度上昇の可能性)
自分では判断が付かない場合には、必ず医師に相談してラベプラゾールを服用しても問題ないかを確認してください。
ラベプラゾールは朝食前に飲むことが一般的|寝る前に服用する場合は医師と相談
「ラベプラゾールはいつ飲むのか?」「寝る前にラベプラゾールを飲むのはダメなのか?」などの疑問を解消するために、様々な情報を紹介してきました。
<結論>
◆ラベプラゾールは食前(朝食前)に飲むことが基本
◆例外的に医師が認める場合は寝る前に服用することもある
◆副作用を感じた場合は医師に相談すること
基本的にラベプラゾールは食前に飲む薬です。できるだけ空腹時に飲んだ方が効果を発揮しやすいため、朝起きてから朝食をとるまでの間に服用しましょう。
また、ラベプラゾールは副作用が比較的少ない薬ですが、稀に吐き気や消化不良などを感じる場合があります。副作用が収まらない人は一度医師に相談しましょう。


